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ハダカデバネズミはアフリカ原産の哺乳類で、低体温・外温性・
地下の低酸素環境への適応という特徴をもつ、非常に珍しい哺乳類です。

ハダカデバネズミは、ふたつの有意義な特徴をもっています。
ひとつは、大きさがマウスとほぼ同じであるにも関わらず、約10倍の寿命をもち、
さらに、ほとんどがんにならない、顕著ながん化耐性の特徴を有することです。
(Buffenstein et al., J Comp Physiol B. 2008)。
ハダカデバネズミを研究することで、他の動物種には無い、新たな老化・がん化耐性の分子機構を同定できると考えられます。
また、哺乳類では極めて珍しい、アリやハチのような社会形態(真社会性)をもっています。
真社会性哺乳類は、これまでに、ハダカデバネズミとダマラランドデバネズミしか報告がありません。
そのためハダカデバネズミは、社会性の解析の観点からも極めて面白い動物です。

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ハダカデバネズミは研究対象として扱われ始めてからの歴史がまだ浅い動物ですので、分かっていないことが多いです。それゆえに、研究者からすると、まさに「宝の山」の動物です。

私たちは、2010年からハダカデバネズミの飼育を開始し、現在、国内の研究機関では唯一の飼育機関として、専門に研究を進めております。当初繁殖に苦労しましたが、様々な検討を行った結果、今では順調に個体を維持・繁殖できるようになりました(2017年8月現在、約370匹)。また、ハダカデバネズミを本格的に研究するために必要となる、様々な研究基盤の整備を行ってきました。


私たちは最近、
ハダカデバネズミから作製したiPS細胞には種特異的な腫瘍(奇形腫)化耐性現象が存在することを見出し、その分子メカニズムを明らかにしました(Miyawaki et al., Nature Communications, 2016)

詳細はプレスリリースを御覧ください。

本研究は、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、日本経済新聞、アエラ、朝日小学生新聞など多数の報道機関で取り上げられました。

また、ハダカデバネズミInk4a・ARFの配列・遺伝子機能に関する報告を行いました
(Miyawaki et al., Inflammation and Regeneration, 2015)。

現在、デバの老化耐性に強く関与しうる特殊な細胞老化に対する応答性を見出し、
メカニズムの解析を進めています(Kawamura et al., 投稿準備中)。

さらに、RNA-seqデータや質量分析で取得した代謝産物データについて、
マウス・ヒト等との種間比較を行い、
デバ特異的に高発現する遺伝子や、デバ特異的な代謝経路・代謝産物の抽出を行い、
老化耐性・がん化耐性に関与する遺伝子・経路の同定を進めています。
(DBCLS、慶應大・医化学、いわて・東北メガバンクと共同)

また、ハダカデバネズミの女王化の制御機構に着目し、これまでに整備したデバMRI 脳アトラスを利用して、in vivo MRIにより、ハダカデバネズミの女王化時における脳画像を経時的に取得し、
女王化時に変化する脳の領域や・神経走行の抽出を進めています(慶應大・医・生理学II、実中研、麻布大と共同 )。(Seki, Watarai et al., 未発表)

日々ハダカデバネズミと触れ合い、解析を行うことで、この他にも様々な面白い現象を発見し、個々のメンバーがそれぞれの興味に基いて、日々精力的に研究を進めています。

当研究室では、修士過程/博士課程でどっぷりデバ研究を行いたい、気合の入った学生さんを募集しております。興味のある学生さんは、ご連絡をお待ちしております。