【研究成果】慢性心不全心筋エネルギー産生能低下をもたらす代謝変化の同定にはじめて成功~慢性心不全治療への貢献に期待~
北海道大学の佐邊壽孝名誉教授(前大学院医学研究院教授、現遺伝子制御病研究所客員教授)、北海道大学医学研究院の高田真吾研究員(現北翔大学准教授)、九州大学大学院医学研究院の絹川真太郎准教授らの共同研究グループは、マウスモデルを用い、慢性心不全における心筋ミトコンドリアエネルギー産生能低下の主原因となる代謝変化を捉えることに世界ではじめて成功しました。

変化を補完する代謝物の投与によって、心不全での心筋ミトコンドリアのエネルギー産生能低下、心機能と全身運動能を統計的有意に補完し得ること、マウス生存性も延長されることを実験実証しました。慢性心不全マウスで見つかった代謝変化と同等と考えられる変化はヒトdatabaseでも確認されます。今回の研究成果は、特定の栄養素を基盤とする「より自然な」慢性心不全治療薬開発に対し、基礎医学的妥当性を与えるものです。
本研究成果は、米国時間2022年10月3日(月曜)公開の米国アカデミー紀要誌に掲載されました。
論文名:Succinyl-CoA-based energy metabolism dysfunction in chronic heart failure(慢性心不全におけるサクシニルCoAベースのエネルギー代謝機能障害)
URL:https://doi.org/10.1073/pnas.2203628119
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