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遺制研動物実験施設における細胞・動物等の使用に関する申し合わせ(平成24年3月21日)

1.細胞・動物等新規申請書
2.動物の搬入や移動
3.細胞の使用
4.配偶子や受精卵の搬入
5.感染実験
6.定期的な微生物モニタリングの結果への対応

 

1.細胞・動物等新規申請書
   改修工事後(2008年5月から)の施設で使用されたことのない細胞・動物等の使用にあたっては、「細胞・動物等新規申請書」(以下、新規申請書)および所定の項目について陰性であることを示す「微生物検査結果」を、動物施設を通じて運営委員会に提出する。

使用の可否について運営委員会で審議を要するのは次の申請の場合とし、これら以外の申請は審議を省略できる。

(1)微生物検査結果について所定の項目以外で陽性のものがある。
(2)感染実験室で定期モニタリング項目に含まれる微生物を使用する。
(3)飼育室2あるいは3で前例のない微生物等を使用する。
(4)その他、施設長が審議を要すると判断したもの。

 
2.動物の搬入や移動
(1)
動物の搬入(搬入フローチャート
 
a.

新規使用
 新規申請書および微生物検査結果を提出して承認を受ける。ただし、大手ブリーダー等特定の生産機関からの動物は、これらの手続きの一部を省略できる。(備考1)
 
b.
動物種
 一般飼育室への搬入はSPFのマウス、ラット、ハムスターに限定する。感染実験室への搬入はSPF以外の動物も含めてマウス、ラット、ハムスター、スナネズミ、モルモット、ウサギを搬入可能とする。
 
(2)
施設内における飼育室間での動物の移動
 
a.
一般飼育室(飼育室3〜14)の間での移動
   移動前に新規申請書の様式により施設に連絡する。これに微生物検査結果を添付する(備考2)。定期微生物モニタリング実施後1ヶ月以内であれば微生物検査結果を省略できる。運営委員会では報告事項とする。
 なお、動物がいない部屋への移動、およびクリーンアップや工事に伴う移動の場合には新規申請書と微生物検査結果の両方を省略できる。
 
b.
一般飼育室から感染実験室あるいは飼育室2(P2A)への移動
   手続き不要。
c.
感染実験室あるいは飼育室2(P2A)から一般飼育室への移動
     動物生体の移動は不可。
   
3.細胞の使用
(1)
細胞の新規使用
   新規の細胞を使用する者は,「細胞・動物等新規申請書」および,細胞がマウス肝炎ウイルス(MHV)およびMycoplasma pulmonisで汚染されていないことを示す検査結果について動物施設を通じて運営委員会に報告する。ただし,M. pulmonisについては,次の場合に検査を省略できる。
a.
バンクから直接入手した場合
b.
分与元において汚染されていなかったことを証明する文書を提出できる場合
   
(2)
使用にあたり「細胞・動物等新規申請書」の提出を要しない例
   次の場合には、手続き不要とする。ただし、遺伝子組換えされた細胞については、新規申請書の提出を要する(微生物検査結果は不要)。
 
 
a.
汚染されていないことが確認され,その後,一度も汚染の可能性のある生物材料(細胞や培養上清等)と接していない細胞
 
b.
遺制研で非汚染動物から分離された細胞
 
c.
非汚染細胞に遺伝子導入等の操作を施して樹立した細胞 
   
4.配偶子や受精卵の搬入
(1)
新規使用(搬入フローチャート
 配偶子や受精卵から動物個体を得て使用する場合には、新規申請書に関する次の a と b の手続きを必要とする。
a.
事前に、配偶子や受精卵が由来する動物の微生物検査結果を添えて動物個体を得る実験計画に関して新規申請書を作成し、動物施設を通じて運営委員会に提出する。
b.
動物個体を得た後、移植に使用した仮親等の微生物検査(備考3)が陰性である結果を、動物施設を通じて運営委員会に提出する。
   
(2)
使用にあたり新規申請書の提出を要しない例
 次の場合には、手続き不要とする。ただし、遺伝子組換えされたものについては、新規申請書の提出を要する(微生物検査結果は不要)。
a.
当施設の飼育室で非汚染動物から採取した配偶子や受精卵から個体を得る場合。
b.
大手ブリーダー等特定の機関からの配偶子や受精卵を搬入して使用する場合。
   
   なお,遺伝子組換え動物の作製等において,当施設の飼育室で非汚染動物から採取した配偶子や受精卵から個体を得る場合や,指定された機関からの配偶子や受精卵を搬入して同様に使用する場合には,これらの手続きは不要とする。
   
5.感染実験
P3A実験室(感染実験室)あるいはP2A実験室(飼育室2)で微生物使用実験を実施できる。
(1)
新規使用
 新規の微生物を使用する者は、新規申請書を作成し、動物施設を通じて運営委員会に提出すること。定期微生物モニタリング項目に含まれる微生物は運営委員会で審議事項とし、これら以外は報告事項とする。
(2)
P3A実験室(感染実験室)
 BSL3までの微生物を使用できる。
(3)
P2A実験室(飼育室2)
 BSL2までの微生物のうち、運営委員会で承認された比較的病原性の弱いものについてのみ使用できる。
 
6.定期的な微生物モニタリングの結果への対応
   定期的な微生物モニタリングは、飼育室1から14で動物が飼育されている部屋について実施する。検査は実験動物中央研究所に依頼する(備考3)。確定診断の前に陽性が疑われることが通知された場合には、その旨を運営委員会委員にメールで報告するが、施設の使用は平常どおりとする。確定診断を行った結果、陰性となった場合にはそれを運営委員会委員に報告して終了とするが、陽性となった場合には運営委員会を開催して対処等について審議する(備考4)。
   
   

実験動物中央研究所での微生物検査項目はこちら
   
備考1:
マウス・ラットの新規使用において動物を生体で搬入する場合、微生物検査結果で必要な項目は、実験動物中央研究所の血清反応I、培養I、および鏡検Iに含まれる項目とする。
検疫室搬入前に提供元に求める検査結果は、搬入動物の飼育作業と動線が重なる飼育室の過去1年分のものとするが、これらの項目について2回分以上が含まれなければならない。ただし、4回を超える結果がある場合には、最近の4回分で可とする。提供元においてアイソレータで飼育されている動物の場合には、3ヶ月以内の1回分で可とする。
備考2:
施設内における飼育室間での動物の移動、および受精卵移植に使用した仮親等の病原体検査に必要な検査項目は、実験動物中央研究所の血清反応Iに含まれる項目とする。
備考3:
実験動物中央研究所による血清反応Iあるいは血清反応I・培養I・鏡検Iを交互にそれぞれ年2回(合計年4回)実施する。
備考4:
定期的な微生物モニタリング項目のほとんどは病原性微生物であるが、消化管原虫については非病原性のものや未同定のものも含めて陽性と判定される。施設として現状では、病原性を有すると一般的に考えられている原虫(Spironucleus muris、 Giardia muris)以外は排除対象と考えていないが、陽性と判定された場合には対処について運営委員会で審議する。




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