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研究成果

Th17細胞は線維芽細胞に存在する炎症アンプを活性化する事で自己免疫疾患を誘導する:
免疫細胞と非免疫細胞の相互作用が自己免疫病に重要な役割を果たしている。

研究の背景と経緯

Th17細胞は、最近発見されたTh1、Th2細胞に続く第3番目のCD4+ヘルパーT細胞の細胞集団で、活性化すると多くのIL-17を産生する。これまでの研究から、Th17細胞は、多くの自己免疫疾患(関節リウマチ、糖尿病、自己免疫性脳脊髄炎等)に重要であることが示されてきた。しかし、Th17から産生されるIL-17がどのように多くの自己免疫疾患を誘導するのか不明であった。一方、我々は免疫細胞と線維芽細胞等の非免疫細胞の相互作用が自己免疫病の発症に重要である事を報告してきた(Sawa et al., JEM, 2006)。

本研究の内容

今回、我々はTh17細胞から産生されるIL-17がIL-6と協調して線維芽細胞(1型コラーゲン陽性細胞)に作用して、さらに、多くのIL-6を産生するという”IL-17誘導性の炎症アンプ”の存在を示した。この炎症アンプの暴走が自己免疫性関節炎(F759関節炎)および自己免疫性脳脊髄炎(EAE)に重要である事をマウスの生体内にて証明した。

今後の展開

この炎症アンプを人為的に増強、減弱する事で、生体の免疫反応をコントロールしてワクチン、癌治療、アレルギー治療等への応用も可能でとなる。

Interleukin-17 Promotes Autoimmunity by Triggering a Positive-Feedback Loop via Interleukin-6 Induction

Hideki Ogura, Masaaki Murakami, Yuko Okuyama, Mineko Tsuruoka, Chika Kitabayashi, Minoru Kanamoto, Mika Nishihara, Yoichiro Iwakura, and Toshio Hirano
Immunity, Vol 29, 628-636, 17 October 2008 (PubMed)


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