共同利用・共同研究推進室について

北海道大学遺伝子病制御研究所は、平成28年4月1日より、共同利用・共同研究拠点「細菌やウイルスの持続性感染により発生する感染癌の先端的研究拠点(感染癌拠点)」として認定更新されました。本拠点のミッションは、感染癌関連の学術コミュニティに共同研究の場を提供し、感染によって引き起こされる癌の発生および悪性化メカニズムの解明、新規治療法および予防法の確立に寄与することです。一方、昨年来より世界的な流行となった新型コロナウイルス感染症に対しても本研究所は、感染癌研究センターを中心に衛生検査所としても機能しています。本推進室は、平成30年度より感染癌研究センターと人員、取り組みとも一体化して、共同利用・共同研究拠点事業、さらに、衛生検査所としての事業を効率的に実施、運営しています。

概要

共同利用・共同研究拠点の主な事業は、研究所としても最も重要な事業であり、本推進室は、以下の4つの取り組みを行っています。

ⅰ. 共同研究および共同研究集会の公募から実施

文部科学省の拠点事業の共同研究および共同研究集会の公募から実施:感染癌の予防・治療につながる研究について本研究所の研究者が提案した課題に対して学内外の関連研究者が応募して共同で推進する研究課題を審査し、実施する共同研究事業は、本感染癌拠点の中核をなす事業である。共同研究には、感染癌拠点を訪れて、実際に下記の先端研究機器を用いて研究を行うために研究費と旅費を申請する一般共同研究と一般共同研究に申請する前段階で、研究試料、予備データの受け渡しのための郵便費など申請する萌芽共同研究がある。研究集会は年間4−5件の本研究所の研究者が提案する取り組みをサポートする。特に、大型研究資金を将来的に得ることができる取り組みを優遇している。また、本拠点事業の研究に使用する感染癌研究センターの共通機器の管理運営も本推進室が実施する。

ⅱ. リエゾンラボの運営およびサポート

感染癌誘導過程を感染、癌化、免疫反応、炎症誘導の4つに分け、さらに、新技術開発の分野を加えた5つのバーチャルな研究室、リエゾンラボを平成29年度に組織し、それぞれのラボのまとめ役を本研究所の教授が務めて、関連研究を実施する国内外の大学、企業を含む施設を共同研究を実施している。それぞれの分野のまとめ役は、感染(高岡教授)、癌(園下教授)、免疫(清野教授)、炎症(村上教授)、新技術開発(茂木教授)である。令和2年度には、本ラボを中心に次世代シークエンサーを導入して、将来的に受託事業として、ゲノム解析、遺伝子発現解析を実施する「ゲノム解析室」の設置も視野に事業を実施している。

リエゾンラボ 概要 ▼

感染癌拠点リエゾンラボによる研究力、産学連携力の強化

令和3年度 遺伝子病制御研究所リエゾンラボメンバー

感染
高岡晃教(IGM)、吉松組子(IGM)、福原 崇介(医学研究院)、澤 洋文(人獣)、
Jason Matthews (Oslo univ.)、Himanshu Kumar (IISER-Bhopal)


園下将大(IGM)、近藤享(IGM)、鳥越俊彦(札医大)、今野大治郎(九大生医研)、
大島正伸(金沢大がん研)、青木正博(愛知県がんセ研)、木戸屋浩康(阪大微研)

免疫
清野研一郎( IGM)、北村秀光( IGM)、岡崎朋彦( IGM)、小林弘一(北大免疫)、
小川美香子(北大薬学)、田中沙智(信州大学農学部食品免疫学教室)、早川芳弘(富山大)

炎症
村上正晃(IGM)、野間健一(IGM)、渥美達也(北大医)、南雅文(北大薬)、
田井中一貴(新潟大脳研)、谷口正輝(阪大産研)、山下俊英(阪大医)、
Kevin J Tracey(Feunstein Institute)

新技術
茂木文夫(IGM)、田中一馬(IGM)、Alexander Bershadsky(国立シンガポール大学)、遠山祐典(国立シンガポール大学)、杉本亜砂子(東北大学)、澤斉(遺伝研)、
木村健二(関西学院大学)

 

ⅲ. 若手研究者の海外の感染癌の関連研究会、学会での発表サポート 、若手研究者支援のための学内事業である北大部局横断シンポジウムの運営面でのサポート

元研究所長の東市郎先生からの寄付を原資として研究所の各分野所属の若手研究者が実施する海外の感染癌の研究会、学会での発表のための旅費のサポート事業を実施している。また、令和28年度から、本研究所が主催して実施している北大部局横断シンポジウムは、コロナ禍のためweb開催となった第6回目の令和2年には、学内の35部局、約700名の参加者にて「若手研究者による物質と生命の融合」を副題に実施され、本推進室では主体的に本取り組みをサポートした。

ⅳ. 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、衛生検査所が行う新型コロナウイルスによる研究材料保存、新興感染症の病態発症機構の解析のサポート
令和元年度以来、国内外の新型コロナウイルス感染症の増加に伴って、研究ができない研究者の細胞株、マウス受精卵、精子などの研究材料を無料で保管する支援事業を実施している。さらに、令和元年に感染癌研究センターが新型コロナウイルスの衛生検査所に認定されたことに伴って新型コロナウイルス感染症の重症化機構であるサイトカインストーム誘導の分子機序の解明のための研究やワクチン開発のためのメモリーT細胞解析を実施している。

メンバー

センター長 教授 村上 正晃


 教授 園下 将大
 准教授 吉松 組子
 准教授 北村 秀光
 講師 長谷部 理絵
 技術職員 石川 晋
 技術職員 山口 桂
 技術職員 石垣 聡子
 研究支援推進員 倉知 智子

感染癌研究センターについて

研究課題

感染癌拠点の運営のサポートと感染癌研究と新型コロナウルス研究の実施

研究概要

本センターは、遺伝子病制御研究所の附属施設として、細菌・ウイルス等の感染に起因する感染癌誘導に関する研究を行うとともに、国内外の研究者との交流及び連携の促進を図ることにより、世界最高水準の研究拠点を形成することを目的として平成20年7月に設置された。
さらに、平成29年度に本センターの再活性化を目的として、「IGMリエゾンラボ」をセンター内に設置した。感染癌誘導過程を感染、癌化、免疫反応、炎症誘導の4つに分け、さらに、新技術開発の分野を加えた5つのバーチャルな研究室を設置、異分野研究の融合を促進・発展させると共に、国内外の学術機関・企業等との共同研究促進、研究成果の知財化促進やシンポジウムの開催等を通して、新たな研究者コミュニティのハブ形成と研究成果の社会還元・情報発信を遂行することである。それぞれの分野のまとめ役は、感染(高岡教授、吉松准教授)、癌(近藤教授、園下教授)、免疫(清野教授、北村准教授)、炎症(村上教授、野間教授、岡崎准教授)、新技術開発(田中教授、茂木教授)である。

本ラボでは、令和2年度に次世代シークエンサーNextseq2000を導入して、将来的に受託事業として、ゲノム解析、遺伝子発現解析を実施する「ゲノム解析室」の設置も視野に事業を展開中である。さらに、平成30年度には、拠点事業の中間評価を受けて、組織改変して共同利用・共同研究所拠点推進室と一体化して、拠点事業の運営面でも当センターが中心を成すことになった。

本センターは、研究所5階にP3動物室、P2実験室を含む共通の実験室を持ち、研究所3階には、超解像共焦点顕微鏡、シート型顕微鏡、最先端蛍光顕微鏡などの機器を持ち感染癌領域の研究者との共同研究を実施しているが、独自の拠点プロジェクト研究としては以下の3つがある。

(1)HPV陽性感染癌を含め複数の癌種についての新規の予防法、治療法の開発
(2)HPV陽性感染癌とCOVID-19病態のマウスモデルの作製
(3)サイトカインストームの誘導機序解析と新規の予防法、治療法の開発

 

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