JAPANESE | ENGLISH
Institute for Genetic Medicine, Hokkaido University
北海道大学遺伝子病制御研究所
附属感染癌研究センター
本センターでは、超解像共焦点顕微鏡 LSM980、シート型顕微鏡 Ultramicroscope II、キーエンス蛍光顕微鏡、微小環境マルチプレックス spatial解析システム CODEX、次世代シークエンサー、シングルセル解析システム BD Rhapsody、シングルセルRNA seq解析ソフトウェア SeqGeq、レーザーマイクロダイセクション、RNA seqデータ解析ソフトウェア Strand NGSを配備して感染癌と進行感染症に関連する研究を実施している 。
凍結包埋組織から最大 45 (縦) x 15 (横) x 20 (高さ) cm の大型標本の作製が可能である。薄切の厚さは 1 -500 µm 、薄切スピードは最大 80 mm/s の設定で可能あり、モーターにより制御されているため、薄切が安定しており、再現性の高い結果を得ることができる。国内の大学で唯一、本研究所に導入されている設備である。
従来の組織学的解析法では、組織をある一定の大きさに切り出す必要があったが、マクロトーム、タングステンブレード、鶴見大学 川本 忠文博士により開発された川本フィルムを用いることにより、大型標本を作製することができ、広範囲かつ網羅的な組織解析が可能である。また、骨や歯などの硬組織も脱灰処理を行うことなく容易に標本が作製可能であるため、抗原性の保持がよく、免疫染色で安定した結果を得ることができる。
設置年月 : 平成 26 年 5 月 16 日
(胆振東部地震のため故障し令和元年に災害復旧費により代替品整備)
導入経費 : 30,000(千円)(受託研究費)(代替品整備財源:運営費交付金)
運転経費 : 3,000 (千円)/年(光熱水料、整備・運転に係る人件費、備品費含む)
<利用の状況(令和2年度, 令和 3 年 1 月時点)>
・実稼動実績:合計 88 日(281.7 時間)、26.5 %
・学内研究: 281.6 時間(10 課題)、年間使用人数 95名
・主な利用機関:北海道大学遺伝子病研究所、医学研究院、保健科学院 、大学病院など
・その他特徴的な利用方法等:医学研究院の大学院生の研究教育ために利用している。研究所一般公開における最先端研究の説明目的にデモンストレーションを行なっている。
<今後の計画>
これまで主に病態モデルマウスやラットの全身および関節、椎骨を含めた脊髄標本、人の脳組織の標本の作製を行ってきており、安定した結果が得られているため、今後はさらに学内外との共同研究での利用を推進していく。本機器を用いた最新技術により、感染・がん・免疫・炎症分野の世界最先端の研究を推進する。
Ultramicroscope II は 左右両方向 x 3 の光シートを搭載し、サンプル全体に均一な光シートを照射することができるため、ダークエリアなどのアーティファクトを最小限に抑えることが可能である。 x 1 対物レンズによる広角撮影とタイルスキャン機能によりマウスの脳や肝臓などの各種臓器全体を撮影することが可能である。国内大学で唯一、5 種類( 405, 488, 561, 639, 785 nm )の励起レーザーを搭載している。
病態モデルマウスの各種臓器における複数の標的分子の分布および局在を透明化技術により、LSM980 よりもさらに広範囲の3 次元レベルで網羅的に解析する。
設置年月 : 令和 2 年 2 月 6 日
導入経費 : 31,400(千円)(運営費交付金:機能強化事業「フォトエキサイトニクス研究拠点事業」)
運転経費 : 20 (千円)/年(光熱水料、整備・運転に係る人件費、備品費含む)
<利用の状況(令和2年度, 令和 3 年 1 月時点)>
・実稼動実績:合計 18 日( 65.5 時間)、 27.3 %
・学内研究: 63.5 時間( 4 課題)、使用人数 18 名
・主な利用機関:北海道大学遺伝子病研究所、医学研究院、獣医学研究院、人獣共通感染症リサーチセンター、大学病院など
・その他特徴的な利用方法等:医学研究院の大学院生の研究教育ために利用している。
<今後の計画>
・実稼動実績:合計 18 日( 65.5 時間)、 27.3 % ・学内研究: 63.5 時間( 4 課題)、使用人数 18 名 ・主な利用機関:北海道大学遺伝子病研究所、医学研究院、獣医学研究院、人獣共通感染症リサーチセンター、大学病院など ・その他特徴的な利用方法等:医学研究院の大学院生の研究教育ために利用している。
スタンフォード大学の Dr. Garry Nolan の研究室で開発された CODEX (CO-Detection by indexing) というオリゴヌクレオチド(バーコード)標識抗体が結合した抗体とCODEX流体制御装置を使用することにより、一つの組織切片に対して、40種類以上の抗原をマルチプレックス免疫染色により、シングルセルレベルで検出できるシステムである。国内大学では 3 大学にのみ導入されている 。キーエンス社BZ-X800と組み合わせて機能する。
癌組織を含む臨床検体組織や病態モデルマウスの1つの組織切片に対して、40種類以上の抗原を免疫染色で微小環境内の空間構造を包括的に解析する。
設置年月 : 令和 2 年 6 月 25 日
導入経費 : 17,100(千円)(新型コロナウイルス診断治療薬開発プラットフォーム)
運転経費 : 1,000(千円)/年(光熱水料、整備・運転に係る人件費、備品費含む)
<利用の状況(令和 2 年度, 導入時より)>
・実稼動実績:合計 8 日( 48 時間)、 28.3 %
・学内研究: 25.3 時間(2課題)、使用人数 8 名
・主な利用機関:北海道大学遺伝子病研究所、医学研究院、獣医学研究院、人獣共通感染症リサーチセンター、大学病院など
・その他特徴的な利用方法等:医学研究院の大学院生の研究教育ために利用している。
<今後の計画>
人と動物の臨床例や病態モデルマウス各組織で、微小環境内における多数のタンパク質の発現分布・局在を包括的に解析し、病態との関連を解析する。特に癌組織における微小環境の免疫状態は癌細胞の進展や転移に影響を与えることから、本システムは感染癌研究に有用な設備である。今後はさらに学内外との共同研究での利用を推進していく。本機器を用いた最新技術により、感染・がん・免疫・炎症分野の世界最先端の研究を推進する学内外との共同研究での利用を推進するとともに、これらの機器を用いた最新技術により、感染・がん・免疫・炎症分野の世界最先端の研究を推進する。
Airyscan2検出器を搭載しており、高速かつ超解像スキャンが可能である。Airyscan2 の他、光電子倍増菅モジュールを含めて計 4 つの検出器を有する。光路全体が高い光効率に設定されており、複数の微弱なシグナルを同時に検出することが可能となっている。また、スキャンスピードが速く、従来よりも短い撮影時間で、より広範囲をサンプルへのダメージが少ない状態でデータを取得することができるため、4Dイメージングに最適である。 国内大学では10大学にのみ導入されている。 本機器には 405, 488, 561, 633 nmの励起レーザーと、x2.5, x5, x10, x20, x40 (水浸), x60 (油浸) 対物レンズを搭載しているため、広範囲かつ細部に至る観察・イメージングが可能である。また、焦点深度 1.2 mm の x40 と焦点深度 0.8 mm の x25 対物レンズも保有しているため、広範囲の超解像 3D イメージングが可能である。
LSM980では、病態モデルマウス、人と動物臨床例の各組織や培養細胞での複数の標的分子の組織または細胞における発現分布・局在を解析することにより、病態との関連を解析する。
設置年月 : 令和2年4 月1日
導入経費 : 50,000(千円)(運営費交付金:機能強化事業「フォトエキサイトニクス研究拠点事業」)
運転経費 : 150 (千円)/年(光熱水料、整備・運転に係る人件費、備品費含む)
<利用の状況(令和2年度)>
・実稼動実績:合計 190 日(464.8 時間)、38.7 %
・学内研究: 281.6 時間(11 課題)、年間使用人数 242 名
・主な利用機関:北海道大学遺伝子病研究所、医学研究院、獣医学研究院、大学病院など
・その他特徴的な利用方法等:医学研究院の大学院生の研究教育ために利用している。
<今後の計画>
令和 2 年 10 月まで使用していた MoFlo Legendの後継として導入した。1秒間に最大 7 万細胞の分取が可能と実証された世界最速のセルソーターである。Beckman Coulter 社が開発したeFSC技術により前方散乱光測定が強化されており、広範なサイズの粒子の検出と分取が可能となっている (分解能 0.2 µm)。6 方向同時ソーティングとプレートソーティング機能が装備されている。先行の機種よりも作業が簡素化されており、安定した結果を得ることができる。国内の大学では 9 台のみ導入されている。
分解能の高さから、細胞のみならず細胞外小胞の検出も可能である。MoFlo Astrios は高速ソーティングに加え、純度・回収率が高いため、分取後の細胞生存率と細胞活性が高い状態で細胞の分取が可能である。そのため分離後の細胞は、初代培養やシングルセルRNA シーケンス (scRNAseq) 解析などの実験に用いることが可能である。
設置年月 : 令和 2 年 10 月 7 日
導入経費 : 51,700(千円)(設備整備費補助金:新型コロナウイルス診断・治療薬開発プラットフォーム)
運転経費 : 運転経費 : 3,500 (千円)/年(光熱水料、整備・運転に係る人件費、備品費含む)
<利用の状況(令和2年度, 令和 3 年 1 月時点)>
・実稼動実績:合計 11 日(44.7 時間)、 37.7 %
・学内研究: 40.7 時間(2 課題)、使用人数 (導入時より)12 名
・主な利用機関:北海道大学遺伝子病研究所、医学研究院、大学病院など
・その他特徴的な利用方法等:医学研究院の大学院生の研究教育ために利用している。
<今後の計画>
マウスの病態モデルや人の疾患患者の免疫細胞を分離培養し、サイトカインなどの刺激に対する反応性や、抗原認識、T細胞レパトア解析などにより、病態に対する免疫細胞の反応を解析する。また、免疫細胞に加え、神経系や各種臓器細胞より細胞を分離し、scRNAseqなどの解析に用いる。今後はさらに学内外での共同研究での利用を推進するとともに、本機器を用いた最新技術により、感染・がん・免疫・炎症分野の世界最先端の研究を推進する。