北海道大学遺伝子病制御研究所

研究所について

所長挨拶

病気と遺伝子の関係を科学する


遺伝子病制御研究所へようこそ

Motegi

遺伝子病制御研究所(Institute for Genetic Medicine: IGM)は、結核研究所を前身とする免疫科学研究所と医学部附属癌研究施設が統合して2000年に発足した、北海道大学で唯一の基礎医学・生命科学分野を志向する附置研究所です。約15の研究室・施設を擁し、研究スタッフ、研究員、技術職員、事務職員に加え、医学部、医学院、北海道大学病院、総合化学院、生命科学院、国際感染症学院などからの学生・大学院生を含めた総勢200名余りが研究に取り組んでいます。特定の遺伝子の異常によって引き起こされる疾患や病態、主に「がん・免疫・感染・炎症」のメカニズムの解明を目的として、基礎研究と応用研究の両面から新たな治療戦略の確立を目指しています。

IGMは2008年に、「細菌やウイルスの持続性感染により発生する感染癌の先端的研究拠点(感染癌研究拠点)」として、文部科学省の共同利用・共同研究拠点に認定されました。感染癌研究の強化を目的として、ピロリ菌研究の畠山先生、紙谷先生、肝炎ウイルス研究の森石先生、田中先生を新たに迎え、研究体制の充実を図ってきました。

感染癌は、我が国の主要な死因である癌の20%以上の原因とされており、これを標的とした革新的な診断法・治療法の開発が求められています。感染癌は、感染、癌化、免疫・炎症反応、癌形成という段階を経て進行します。この過程に関わる染色体構造、転写制御、オートファジーなどの研究を通じて、感染癌の克服に資する独自の治療戦略の開発を進めています。さらに、感染癌研究者間のネットワーク形成を目的として、感染癌研究拠点を活用した共同研究を毎年公募するとともに、関連研究者が集うシンポジウムを継続的に主催しています。共同研究から得られた感染癌解析データ、炎症関連遺伝子データ、siRNAなどの各種リソースを公開・共有するほか、社会貢献の一環として新型コロナウイルス関連研究にも取り組んでいます。

これらの研究活動から、国際的に高いインパクトを有する論文が多数発表されており、ムーンショット型研究開発事業、新学術領域研究・学術変革領域研究、CRESTなどにおいて、多くの研究代表者を輩出してきました。これにより、遺伝子病研究および感染癌研究の分野を国内外で牽引しています。また、これらの成果を基盤として、産学連携による共同研究の推進、ベンチャー企業との連携による寄附講座の設置、さらには北海道大学発ベンチャー企業「FlyWorks」の創出などの実績も挙げています。

さらに、研究成果を広く社会に発信するため、IGMは多様なアウトリーチ活動を展開してきました。札幌北高校や札幌南高校からの職場訪問の受け入れ、幼稚園児から一般市民までを対象とした出張授業、全国から参加者を募る「北海道大学子ども研究所」の開催などを通じて、継続的な社会貢献に取り組んでいます。

IGMによるこれらの研究・教育活動は、北海道大学の研究力強化に大きく貢献しています。北海道大学共同研究拠点形成事業である「認知症研究拠点」に参画するとともに、北海道大学機能強化事業である「フォトエキサイトニクス研究拠点事業」および「若手研究者支援事業」を推進しています。「若手研究者支援事業」では、「北海道大学部局横断シンポジウム」を主催し、毎年800名以上の高校生や若手研究者、ならびに学内35部局の学生・研究者が参加することで、異分野融合研究の促進を牽引してきました。また、本シンポジウムを通じて、優れた若手主体の共同研究を促進するとともに、ノーベル賞受賞者による講演を広く社会に提供し、北海道大学の大学院教育や北海道内の高校教育にも貢献しています。

今後もIGMは、遺伝子が関与する疾患・病態の分子機構の解明と、感染癌および関連分野の研究を一層推進し、革新的な研究コンセプトを発信してまいります。その成果として大型研究資金の獲得を目指すとともに、若手研究者支援や部局間の融合研究を推進し、北海道大学の機能強化と教育の発展に貢献してまいります。今後ともIGMの研究・教育活動に対し、ご指導、ご鞭撻を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

北海道大学遺伝子病制御研究所
所長 茂木文夫

歴代所長

小野江 和則平成12.4.1 ~ 平成14.3.31
高田 賢蔵平成14.4.1 ~ 平成18.3.31
上出 利光平成18.4.1 ~ 平成22.3.31
田中 一馬平成22.4.1 ~ 平成24.3.31
高岡 晃教平成24.4.1 ~ 平成28.3.31
村上 正晃平成28.4.1 〜 令和2.3.31
田中 一馬令和2.4.1 〜 令和4.3.31
村上 正晃令和4.4.1 〜 令和8.3.31
茂木 文夫令和8.4.1 〜